住宅ローン滞納から競売で処理されるまでの流れ

1.住宅ローンの滞納

住宅ローンの支払いが遅延すると、住宅ローン借入銀行から ご連絡・催告書・督促状 といった書類が届くようになります。

2.銀行から支払いのお伺い

住宅ローンの支払いが遅延すると、
住宅ローン借入銀行(保証会社あるいはサービサーと呼ばれる債権回収会社等)から、
電話連絡などが入り、今後の支払いについての話し合いを勧められます。

 

この時点で、可能であれば
“支払期間延長・月々の返済額減額の為のリスケジューリングの交渉”
を試みてください。

 

3.住宅ローン滞納の継続

住宅ローン借入銀行からの催告書・督促状 及び 連絡を放置し、
3〜6回 住宅ローン滞納が続くと、
最終通告書・期限の利益の喪失予告や最終的な催告書が届くことになります。

4.期限の利益の喪失

最終的な催告書(最終通告書・期限の利益の喪失予告)では、
ある期日までに延滞しているローン額と遅延損害金の総額支払いが求められ、
ある期日をもって期限の利益喪失(住宅ローン借入時の金銭消費貸借契約違反となり、
銀行とのローン支払契約における、月々での分割支払いの権利を失う)となります。

5.代位弁済

期限の利益が喪失されると銀行は、
保証委託契約(あなたへの住宅ローン融資に対する保証)を結んでいる
保証会社(不動産に抵当権を設定している会社)に対して、
融資残高の全額および利息・遅延損害金の合計を請求します。

 

この請求により、保証会社があなたに代わり一括返済することを、代位弁済と言います。

 

代位弁済された後、保証会社から一括返済した全額の請求が、
催告書・代位弁済の通知書で届きます。

 

その文面には、“一括返済できない場合には、法定手続きにより請求(競売手続き)される”趣旨が書かれております。

 

この段階が、あなたにとっての最後の競売手続きを回避する交渉となります。
“少しでも残る債務(残債務)を減らし、少しでも多く返済するために、
一般市場相場での売却(任意売却)を希望する旨を保証会社(債権者)に伝え交渉”
を試みてください。

6.差押(差し押さえ)

競売回避の交渉が出来なかった場合、あるいは放置・無視してしまった場合、
保証会社(債権者)は資金回収の為、
あなたの不動産を自由に処分させない様、競売申し立てをすることにより、
裁判所が対象不動産に差押(差し押さえ)登記を行います。

7.競売開始決定

裁判所において強制競売申立書の審査で問題がなければ、
強制競売の開始決定を発令します。

 

対象不動産の登記簿には、登記の目的「差押」「担保不動産競売開始決定」が登記され、
ご自宅の所在地を管轄する地方裁判所から、競売開始決定通知書が届きます。

 

この段階になりますと、競売の取り下げは困難です。
競売取下げは、申立人(競売申請者:保証会社等)が、
裁判所に対して競売の取り下げ申請をしなければできません。

 

競売開始決定通知書が届いた段階で、
今後の作業は全て裁判所(法律に基づく作業手順)になるため、
保証会社(債権者)に交渉しても対応していただけません。

 

保証会社(債権者)は、競売申立て作業などの資金回収業務を、
一般的に債権回収会社に委託します。
そのため、一度 競売の手続きに入った案件は、
任意売却にて商談・交渉成立しなければ競売の取下げが出来ないのが現状です。

8.現況調査

競売開始決定通知書が届いてから概ね1ヶ月の間に裁判所は、
執行官に対して強制競売の対象不動産の現況調査を命じ、
不動産鑑定士に対し不動産の評価をさせます。

 

執行官は、対象不動産の室内・外観写真を撮り、
現在誰が占有しているか等聞き取り調査および物件調査を行い、
現況調査報告書を裁判所に提出します。

 

不動産鑑定士は、近隣同種の不動産の取引価格・収益などを考慮し、
評価書を裁判所に提出します。

 

裁判所は、提出された評価書・現況調査報告書を参考に、物件明細書を作成します。
一般的に、「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」のことを、「3点セット」と呼びます。

 

この現況調査においては、ご自宅の室内などを確認するうえで、立会いが必要になります。
執行官からの“ご自宅お伺い“の案内を無視してしまいますと、
法律・執行官のスケジュールに基づいて実行されますので、
あなたの状況に応じた対応・対策が必要となります。

9.裁判所での情報公開

裁判所は、「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」の「3点セット」が揃うと、
売却日時と共に3点セットを公開します。

 

この情報が公開されるまでの時間は、各管轄の裁判所により異なりますが、
概ね競売開始決定通知書が届いてから3ヶ月〜6ヶ月程度のようです。

 

任意売却にて競売を回避するためには、
この情報内に示される「開札期日」の前日までに競売取下げ申請をする必要があります。

 

また、競売取下げは、申立人(競売申請者:保証会社等)の社内手続き等により、
「入札期日」の約1ヶ月前までに任意売却での売却承認(主に購入者決定)が得られなければ、
受け付けていただけない場合もあります。

10.期間入札・開札・売却許可決定

入札期日になると入札が期間内行われ、開札期日に開札が行われます。

 

開札は裁判所の開札場で執行官により行われ、
最も高い価格を付けた人が落札者となります。

 

落札者が一定の不許可事由(民事執行法71条)に該当していなければ、
売却許可決定を発令し、落札者に代金の納付を求めます。

 

代金の納付後、差押登記・抵当権設定登記などの抹消と落札者に対する
所有権移転登記の嘱託を行い、競売手続が終了となります。

 

 

【裁判所による配当】
落札代金は、裁判所が配当期日を決め配当順位に従い配当します。
住宅ローンの残債務より下回る価格にて落札された場合、
各債権者(保証会社やローン回収業務を委託された
債権回収会社いわゆるサービサーなど)から、
残債務についての催告書などが届くことになり、
一括支払い請求を受けることになります。